総評
平素より、ご高配賜りありがとうございます。
今年の始めから、新型コロナウィルスが全世界で、甚大な影響を及ぼしています。
囲碁界も御多分にもれず、タイトル戦を含む対局や、様々なイベントが延期か中止になりました。更に、プロ棋士を目指して毎週研鑽している院生の対局も、見合わせざる得ない状況となりました。
三月初旬、関西棋院常務理事会より院生の対局不足を補うため、ネットリーグの提案があり、その案を院生師範一同(四名)で協議しました。そこで練った企画を、パンダネット様が素早く対応してくださり、「若手棋士院生強化ネットリーグ戦」を開催する運びとなったのです。
幸い、インターネットの普及により、自宅で対局ができる時代となりました。
対局者は若手棋士7名、院生13名、一人20局打ちのNHK杯方式の早碁です。
また、ゲスト棋士として結城聡九段をはじめとする、実力者五名の棋士の参加もありがたく、充実した研鑽の場になりました。
全対局を通しての印象は、棋士は個性の中にも、基本に忠実な堅実さがあり、院生は、粗さの中にも自由奔放さがあったと感じております。
また、このリーグ戦は、若手棋士の成績優秀者には賞金、院生には好手・好局に、「メセナスポーツ賞」として図書券を進呈しました。
ちなみに入賞の選考基準は、師範独自の判断で、AIを使ってのものではありません。
なにぶん、対局者は相手との相性や、そのときの流行が影響することもありますので、
「創意工夫」していると感じられる手や、「気持ち」が出ている手を、優先して選考しました。
お陰様をもちまして、二ヶ月に及ぶ「若手棋士院生強化ネットリーグ戦」は無事終了し、有意義な企画になったと院生師範一同、感謝しております。
最後になりましたが、この企画に多大な協賛をいただいたメセナスポーツ振興協会様、ならびに大変なご尽力をいただいたパンダネット様に、心から御礼申し上げます。
院生師範代表 今村俊也